私は普段の授業でよく計算力の重要性を話しています。今回はなぜ計算力が必要なのか?どうすれば計算力が付くのか?について考えてみたいと思います。
簡単に言うと数学は「なぜそうなるのか?」という事を考え、仕組みを理解する学問です。
ですから数学とは計算する事ではありません。しかし数学をするためには計算が必要不可欠です。
スポーツに例えると計算は足腰を鍛えるトレーニングの様なものだと思います。どのようなスポーツをするにしても強い足腰が必要で、それがないと技術だけを身に付けたとしても結局上達することは出来ません。しかし足腰を鍛える練習は多くの人が嫌う練習です。単調なトレーニングが多く、やっていて楽しいものではないからです。
そう考えると数学における計算練習も単調な作業が多いので、計算練習は程々にして色々な問題に取り組みたくなる気持ちも分かります。
では計算練習とはどのくらい出来るようになるまで練習すれば良いのでしょうか?
例えば計算問題が10問あったとします。10問中9問出来た場合、計算が出来るようになったと判断して良いでしょうか?
私の考えとしては駄目です。10問中10問出来なくてはいけません。しかし10問中10問出来るだけでも計算が出来るようになったと判断してはいけません。計算には正確性に加えスピードも重要で、ゆっくり慎重に計算し時間をかけて何度も見直しをして全問正解出来たとしても、それは計算が出来るようになったという事にはならないのです。
感覚的には、考えるよりも先に手が動く状態まで計算練習する必要があります。その為には新しい計算が始まると個人差はありますが500~1000題は練習する必要があると言われています。
そう言われると「500題以上?」「そんなに出来ないよ。」と思うかもしれませんが、これも短期間でするのではなく毎日家で10題~20題練習し、学校でも計算をすると思いますので長く見積もっても1か月もあれば出来る量です。そしてまた新しい計算が始まるとこれを繰り返すことになります。
日々勉強をする際に一番苦労するのが、勉強を始めるタイミングという人も多いのではないでしょうか?「あと30分したら始めよう。」しかし30分経つと「もう30分休憩して始めよう。」そんな事を考えているうちに時間が経ち「明日頑張ればいいか」となります。そんな時「初めに何を勉強しようかな?」と考えている事も多いと思います。
勉強を始めるきっかけに計算練習は最適です。あれこれ考えず、まずは10分位で出来る量の計算練習に取り組む事で机に向かうきっかけが出来ます。
計算練習は長時間する必要は無いと思っていて、短時間で良いので毎日取り組む事が重要です。そうして計算練習する時はとにかく集中して、自分が出来るだけの速さで、かつ正確に計算することを心掛けます。それと工夫して計算する事も大切で、いつも通りに計算するだけではなく「どうしたらもっと早く出来るかな?」「式を書く量減らせないかな?」等考えながら計算練習することで新しい発見もあるものです。
算数や数学の応用問題では色々な事を考えなくてはいけませんが、その際計算に不安があると本当に考えなくてはいけない事は他にあるのに、計算に気を取られていては集中して考える事が出来ません。
一方考え方が分かっても、計算でミスをすると正解にはなりません。考え方が分かったら必ず正解できるような計算力を付ける事が、テストや受験で高得点を取るためには必要です。
計算力は短期間で身に付くものではありませんが、毎日取り組む事で誰でも身に付けることが出来ます。
計算のやり方を知っているだけではなく、計算が出来ると言える本当の計算力を付けていって欲しいと思っています。